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モンゴル人が中国にやって来る!ヘビメタを引っ提げて!

 

ジェームズブルック
ニューヨークタイムズ 04.11.26
<翻訳:まこと>
http://humanrights.blogtribe.org/category-c6495f2bf696ca838d71c73dedaed378.html

 


 ウランバートル(モンゴル)-中国は北方からの侵略者を阻止するため、2000年以上前に万里の長城を建設した。だが、中国人はとある厄介者たちを拒絶すること2000年以上前よりも困難な時を過ごしているのである。その厄介者たちとは長い黒髪のモンゴル民族の男たちであり、彼らのスタジオには狼の毛皮やチンギスハンの肖像画やエミネムのポスターが飾られている。

 中国公安当局は「フルド」が北方600マイル先にあるモンゴルから南下し、ゴビ砂漠を横断しているとの報を耳にしたとき、神経質になった。モンゴル人たちが誇りにしているヘビーメタルグループ「フルド」は新作のヒット曲が収録されたCD「俺たちはモンゴルで生まれた(I Was Born in Mongolia)を引っ提げて、3日間のツアーにやって来て、ツアーは111日の内モンゴル自治区の省都フフホトでの演奏で最高潮に達するはずだった。

 「その朝、俺たちは列車に乗ろうとしたが、翻訳者の青年が俺たちを呼び、『あなたたちの演奏はキャンセルされました』と言ったんだ。」フルドのキーボード担当とプロデューサーは白いプラスチック製の椅子にもたれながらむっつりした様子で話した。「彼は、『詳しいことを知っている者を呼びますから』と言ったが、俺は詳しい事を聞かされなかった。」

 フフホトからの報告によると、ことの子細は機動隊の警官と車両が彼らが演奏する予定だった大学のキャンパスを取り囲んだというものだった。彼らはIDカードをチェックし、4人の人間を一晩中拘留し、この秋の夜におよそ2000人のフラストレーションを抱いたコンサート客を解散させたという。

 大モンゴルの南端と呼ぶ者もいる地域における「中国の植民地主義」を追及しているニューヨークに本部を置く南モンゴル人権情報センターによると、その次の数日の間に、中国当局は3つのモンゴル語のチャットフォーラムを閉鎖したという。

 「フフホトで禁じられたコンサート」は昨今の時勢を示すシグナルである。

 地方での抗議活動がほぼ毎日起きているという報告があることにより、中国当局は少数民族の問題についてますます神経質になっている。10月末、数日にも渡った騒乱が湖南省中部での交通事故の後、イスラム教徒の回族と中国の主力民族である漢民族の間で突発した。

 1960年代、中国とソ連との決裂はモンゴルを中国の内モンゴルとは別のソ連の衛星国の状態のままにした。今日、中国の領域(内モンゴル自治区)400万のモンゴル民族の母国であり、その人口はモンゴル国の250万のおよそ2倍である。しかし、ここ数年の漢民族の内モンゴルへの移住によって、内モンゴルのモンゴル人は1800万人の漢民族によって数で圧倒される状況下に置かれている。

 近年、中国が北の隣国(モンゴル国)の最大の貿易相手国および投資国になり、モンゴルと内モンゴルの間の障壁は低くなっている。内モンゴルが今年初めから9ヶ月間で22パーセントの経済成長を遂げた中、モンゴル国と内モンゴル自治区の高官は10月、モンゴル鉄道が中国内に交差する地区に自由貿易圏を開くことで合意した。

 文化の最前線においては、ウランバートル出身の音楽グループがしばしば内モンゴルのモンゴル語テレビチャンネルに登場している。モンゴル語で「スピード」を意味するフルドは2000年から内モンゴルでコンサートツアーを3回行った。これはフルドが国境の両側のモンゴル人にとってもっとも人気のあるロックグループであることを示唆するものである。

 「2000年の時は、フラッシュライトの周りを警官が取り囲んでいるソ連式のコンサートで、とても良く事前に良く仕込まれたコンサートだった。」Damba Ganbayarはこのようなことを回想した。「その後、ごく普通のロックコンサートのように、よりくだけたコンサートになった。」

 「それでもなお、彼らは『俺たちモンゴル人はみんな仲間だ!』あるいは『モンゴル人はみな立ち上がり、叫ぼう」などとは言わないように俺たちに忠告した」キーボードを担当する者は続けた。「人々は『チンギス!』と叫んだものだ。だけど、それは政治的なものでは無かった。」

 しかし、後に国境の南を訪問した際、彼はモンゴル人のプライドが増大していることに気付いたのだ。

 「非常に多くの若者たちが『僕たちはモンゴルの言語と伝統を守りたい』と語るんだ。」彼はそのように言った。「俺はモンゴル風の名前を持った青年に会ったが、彼は『僕はモンゴル人だ!』と叫ぶんだ、中国語でね。俺はそういう連中に沢山会ったよ。」

 モンゴル国の人々と内モンゴルの人々との遭遇は、メキシコの人々とアメリカのニューメキシコ州の人々の遭遇に少し似ている。この地(ウランバートル)の多くのモンゴル人は、内モンゴルの人々をモンゴル人というよりも中国人であると認識していると語る。モンゴル国の人々が南モンゴル(内モンゴル自治区)に旅行する際には、彼らは内モンゴルに旅行するとは言わず、中国に旅行すると言うだろう。

 「私達には内モンゴル問題などというものは無い。」当地の中国人外交官はインタビューの中でこのように語った。「内モンゴルの住民の大半は『漢民族化』している。彼らは中国語を話し、中国人のように考える。フフホトは他の中国の都市と似ている。」

 モンゴルの外務大臣であるMunh-Orgil Tsendはインタビューの中でこのように言った。「私たちにとって内モンゴルは国境の向こう側にたまたま民族上の兄弟が暮らしている中国の一部である。」 

 国境の北側では、フルドのナショナリズム意識は彼らが新曲を発表しなかったこの2年の間に増大していった。

 「フルドの自国への誇りと母国愛はブルーススプリングスティーンの『ボーンインUSA』のエトスを新しいレーベルの中に齎している。」アメリカの財団の代表でありミュージシャンであるレイトンクロフトはこの地でこのように語った。彼は10月に彼らのコンサートの一つに出席した。「このような音楽は誠実で、かつ多くが素朴なモンゴル人の支持がある。」

 フルドのモンゴルナショナリズムは聴衆に向けられる。聴衆は仕事のために国を去る若いモンゴル人であり、韓国で建設業に就く男性であり、メキシコで「ホステス」をする女性などである。

 だが、中国のモンゴル民族が漢民族の中国人が経営する会社が同地でもっとも多くの観光収入を齎すチンギス廟の経営を引き継いだことを知った頃に、「偉大な伝説のヒーローの地」への賛歌である「俺たちはモンゴルで生まれた」のCDは世に出た。この聖地は1696年よりダルハッドのモンゴル部族の管理に任されており、偉大な征服者の鞍や黒い弓を含む遺品を納めている。

 1227年に死亡したチンギスハンが実際に埋葬された場所は知られておらず、複数の考古学的探検の対象とされていた。だが、中国企業であるDong Lianによる新たな「廟」の建設は中国人移民によって握られている別の力による動きを知っているモンゴル人による抗議活動を鼓舞した。

 名を明かさないように求めた内モンゴルの貿易商は中国の内モンゴルから「ナショナリズム、分離主義、政治的権利を求める動きに関連するあらゆる動きを、中国の役人たちは抑圧したいと考えている。」と語った。

 よく知られた事例としては、Hadaという名前で知られる書店の経営者が1996年に分離主義であると有罪判決を受けた後に15年の刑に服している。

 しかし、フルドや内モンゴルのバンドであるホルダのコンサートが中止されていることに、モンゴル人への新たな束縛を恐れる者もいる。

 「中国政府は数多くのレコード店を閉鎖し、数多くの音楽テープを没収している。」ニューヨークの南モンゴル人権情報センターで活動しているEnhebatu Togochogはこのように言った。「彼らはわれわれは文化市場を浄化しているのだと言っている。
  

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