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 モンゴル・レター

No.15 2002/11/05 (準備版・週刊)

 

中国、ダライラマに和平のラブコールか

  中国とチベットの間で、和平ムードが早いスピードで広がっている。ダライラマが率いるチベット亡命政府の代表団が、中国政府の招待で9日から3週間の日程で北京を公式訪問している。中国がチベット亡命政府の関係者と公式に顔を合わせたのは、1993年以来9年ぶりのこと。チベットとの公式な接触は、米国との関係を視野に入れた中国政府の布石で、中国内で急速に広がっている「ダライラマ包容論」を反映する画期的な措置だと、12日、米ワシントン・ポスト紙が評価した。

 熟しつつある和平ムード。今度の訪問団にはダライラマの最側近で、チベット亡命政府の実権者として知られるロディーガルセンガリー駐米代表とケルサンガルセン駐欧州代表が入っている。代表団は中国政府の少数民族業務担当部署である国家民族事務委員会の関係者と会い、チベットの完全自治を認めること、ダライラマの帰国問題などをめぐって会談を行う。

 とくに目を引くのは、代表団がチベットの首都ラサを訪問すること。1959年、インドで亡命政府を樹立して以来、チベット独立勢力のラサ訪問を徹底的に封鎖してきた中国政府が今度の訪問を認めたのは、ダライラマの帰国についての反対の立場を軟化させたのではないかという観測を呼んでいる。

 中国は何をねらっているのか。中国政府の相次ぐ和平措置は、来月、江沢民国家主席の米国訪問を控えて、これまでチベットの分離独立を支持してきたブッシュ政権との関係改善を図るためのものと分析されている。

 バウチャー米国務省報道官は10日「チベット問題は長い間、米中関係の足かせになってきた。今回の対話再開は状況が肯定的に進展したものだ」と論評した。

 今年5月、胡錦濤副首席が米国を訪問した際、米下院議員が中国政府によって監獄に入れられたチベット独立運動家25人の釈放を求める書簡を渡したものの、胡副首席が目もくれなかったことについて、米国の人権団体が激しく抗議している。

 中国との関係を考慮しつつダライラマとの会談を避けていたクリントン前大統領とは違って、ブッシュ大統領は昨年、彼と30分間会談を行うなど、親チベットの立場を明確に示してきた。これに加え、中国の知識人の間で広がっている「ダライラマ包容論」は、これまで彼を無視してきた中国政府に態度の変化を迫る圧力として働いている。知識人は、ダライラマがいない場合、チベット独立運動の分裂が激しさを増し、これによって、チベットとの交渉がさらに厳しくなりかねないため、むしろダライラマを認め、話し合いを進めるのが中国に有利だと主張している。

 専門家は、今回の中国・チベット会談で(チベットの)自治権範囲の拡大など、一部懸案では進展が期待されるが、これまでチベットが強く主張してきた周辺地域への領有権認定問題では進展を期待しにくいとみている。

(韓国『東亜日報』(日付不明、9月?)MLより孫引き)

 

[編集・発行] SMHRICOSAKA

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