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民族の平等は本当に実現されたのか?

   
SMHRIC
2015928
ニューヨーク
 

--ハダ

中国の憲法は前文で「中華人民共和国は、全国各民族人民が協力して建国し統一した多民族国家である。平等・団結・相互扶助の社会主義的民族関係はすでに確立され、今後も継続的に増強されていく」と宣言している。これは1982年施行の中国憲法の宣言である。それ以前の憲法にこのような宣言が盛り込まれていたかどうかについて私はまだ調べていない。共産党が政権を奪い取っておよそ30年後に承認されたこの宣言は、全く無駄ででたらめな理屈であることを私は以下のいくつかの点から反論することにする。

1.「今日の中国を建国するため、中国により植民地にされている全ての民族が共に闘った」というのは歴史の事実に合致していない。諸民族が自らの自由を獲得するために闘ったことは事実である。言うまでもなくその闘いが、中国共産党が政権を力で奪取する際の援護になったことは疑いがない。主観的にはそうでなくても、結果においては中国共産党の助けになった行為であった。しかしながら、諸民族の居住地の全てが最終的に中国の植民地にされ、その奴隷となってしまった。換言すれば、自らの自由のために闘った諸民族は平等というものが一体どんなものになるのかそれを享受するどころか、最初の一歩も踏み出せなかったのである。それは、中国の植民地主義者の宣言した「平等」というものが嘘であったからである。レーニンの言葉を借りれば、民族の平等というものは、建国時において諸民族が完全に平等であることを指している。中国には合計56民族がいるという。それでは漢民族以外にこのような権利があるだろうか。もしないとすれば、「平等が実現された」という根拠は一体何であろうか。現在の共産党による植民地主義体制の下ではなく、未来の民主主義体制の下で自治国の建設を目指した私を19年間も拘束したことを一体何だったと言えばいいのだろうか。もし本当に平等が実現されたのであれば、「国家分裂罪」というものが存在していいのだろうか。

2.国連憲章など重要な文書にはおしなべて「全ての民族は自決権を有する」と定めてある。この条項は、レーニン主義ともぴたりと合っている。つまり、「全ての民族は国家を建設する権利を有する」ということである。民族の自決権を保証して初めて全ての民族は平等になったとみなされる。中国では、漢民族だけが国家を建設する権利をもっている。他の55の民族の建国は認めていない。このような状況下で「全ての民族が平等になった」と言っても、信じる人はいないだろう。

3.別の観点からみても、諸民族の平等は達成されておらず、中国の現在の政治制度下では民族の平等というものがさらに実現できなくなっているということがわかる。中国共産党が祭り上げているマルクス主義は「民族の平等は、何よりも言語・文字を自由に使用する平等の権利」と明確に宣言している。南モンゴルで暮らすモンゴル人の半分は同化しつつあり、大部分は共産党の植民地主義下で母語や文字を失っている。

 上に述べたことから考えると、植民地主義下において諸民族が平等になることは全くあり得ないことであることがはっきり理解できる。しかしながら、現状では、植民地にされている先住民がマルクス主義を武器として植民地主義者に対抗して自由を獲得するという可能性はない。私たちはただ国際法・人権についての理論・民主主義・平等などの概念により武装して初めて自由を得て、世界の多くの民族と共に行動して存在することができるのである。そうして初めて民族の平等を実現することができる。中国の植民地主義者の嘘や偽の教条に囚われてはいけない!「悪人の口からは蛇や蛙が次々出てくる(悪人の口からは悪いことしか出てこない)」という諺のように、漢民族の口から私たちモンゴル人のためになるような言葉が出てくるわけがないのである!

2015617

 

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